Ababaの開発を始めたとき、デザインチームが最初に目指したのは、できるだけ生産に手間のかからない靴を生み出すことでした。通常の靴には50以上のパーツが使われ、複数の工程が含まれるために、さまざまな機械や長年の靴作りのノウハウが必要です。一方で良いデザインとはシンプルなデザインであり、それを試すには絶好の機会にもなりました。
Ababaのデザインの出発点は「工程を省いて、これまでに作ったどの靴よりも見た目も履き心地も良い靴を作れないだろうか?」というものでした。ステッチダウン構造により接着剤の使用量を大幅に削減し、ソールをヒールカップ上部まで伸ばすことで靴のあらゆる機能をソールに集中させました。その結果、不要なパーツを省略することができたのです。ソールは2年以上かけて開発した最新の「スーパーナチュラル」ラスト(木型)形状を採用し、これまでで最も幅広で裸足に近いデザインになりました。アッパーはシンプルなスリッポンで、キャンバスとWild Hideレザーの2種類です。
ソウル・オブ・アフリカ(SOA)プロジェクトは、責任をもってアフリカ大陸で靴産業を成長させ、雇用を創出するという目標を掲げています。AbabaシューズはこのSOAシリーズの一員として、一足販売されるごとにこの目標を持続させることに貢献します。世界中からの販売利益を社会的に有益な地元のプロジェクトに還元し、そのひとつはエチオピアのアディスアベバに新しい靴の生産ラインを建設し、Ababaシューズの生産拠点とすることです。
Ababaの物語はこれだけではありません。2003年以来、SOA公益財団は、靴の販売収益を元に真に感動的なプロジェクトを実践しています。困窮している子どもたちの保護や教育機会の提供、大人の技能訓練や雇用の創出まで、17,000人以上の子どもたちとその家族を対象に、そのプロジェクトは多岐にわたっています。
ブレイブハーツ財団の保護者(孤児の後見人)であるレディー・ビー氏は、野菜を販売するビジネスを立ち上げるため、財団から支援を受けています。
ブレイブハーツ基金とは
ブレイブハーツ基金(BHE)は、エチオピアのアディスアベバを拠点に、乳幼児から高等教育まで、弱い立場にある子どもたちのケアと教育を支援しています。また子どもたちの保護者となる女性を育成・支援するとともに、雇用のためのワークショップを開催したり、起業のためのマイクロファイナンス制度(小口融資)を提供したりしています。