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#015

#015

 

心身の健康へ意識を向けさせてくれる靴


#015

《トミマツタクヤ × ニュージーランド写真家》

Small is Beautiful - 本当に大事なことにフォーカスして生きていく


 

 

南半球に位置し、日本のおおよそ4分の3の面積を持つ島国、ニュージーランド。
人間よりも羊の数の方が多く、豊かな自然に恵まれ、先住民族や移民など、多様な背景を持つ人々が暮らすこの国に魅了された写真家のトミマツタクヤさんは、ニュージーランドの魅力を伝えるべく、『Small is Beautiful -より小さく より美しく-』をテーマに撮影・表現活動を行っています。

会社員生活で心身の不調を経験し、健康やライフスタイルと向き合ってきた彼は、ニュージーランドと出会ったことで、人生観が大きく変化したと言います。
心身にとってより良いものを追求する中で出会ったVivobarefootと、愛用している”PRIMUS LITE"についてインタビューしました。

 


Photo: Takuya TOMIMATSU



INTERVIEW

 

正直、大学を卒業するまでは無難な人生を送っていました。経済的な苦労もなく育ち、勉強や運動もそれなりにできたし、挫折っていうものを全くしたことがなかったんです。大学卒業後も、大手企業に勤める父の影響もあって、特に疑問も抱かずに順調に就職活動を進め、社会人になりました。

最初の職場は割とブラックな労働環境だったこともあり、そこからはとにかくメンタルもフィジカルもずっと調子を崩しっぱなしで。結局鬱のような状態になり、1社目は1年半くらいで退職することになりました。

その後、2社目の仕事では、一日中座りっぱなしの生活で。1日10時間以上座っていて、姿勢も悪く、体が歪みまくっていたんですよね。それで腰を痛めてしまい、半年くらい歩けない時期がありました。常に腰が痛くて、もうおじいちゃんに抜かされるくらいのスピードでしか歩けなかった。いろんな病院を受診し、レントゲンやMRI、内臓の検査をしたものの、異常は見つからなくて。そうなると、原因が分からないので治療のしようがないんです。
当時26歳とかで、もう本当にお先真っ暗で、それでまたメンタルがやられてしまった。社会人になってから、「人生ってこんな辛いものなのか、楽しくないんだ」っていう、なんだか全てがどんどん悪い方へ向かっている気がしていました。

 

ちょうどその頃に、姿勢治療家という肩書きで東洋医学の観点から診療をしている先生に出会いました。
その先生に言われて一番印象的だったのが、「トミマツさんは病気じゃないけど超不健康体です」と言われて。それまで「病気がない=健康体」だと思っていたのが、その軸が変わりました。自分は健康体にならないといけないんだと気づき、そこから食事だったり、睡眠や運動といった、健康になるための視点が自分の中に入ったんです。
この時の気づきが、今でも人生の基盤になっています。

それ以降、人間本来の正しい姿勢で歩いたり、座ったり、動いたりする、っていうのをとにかく心がけるようになりました。これってVivoにも繋がっていますよね。
その先生のおかげで、姿勢の大切さがすごく分かりました。それから一番大事なのは、やっぱり靴だなと。

正しい姿勢で歩ける靴を探しているうちに、Vivobarefootを見つけました。靴が人間本来のバランスをすごく崩しちゃっているということを、僕はこの時の体験を通して分かっていたので、Vivoの理念にはすごく共感できました。

 

 

テ・アラロア(ニュージーランド最長のロングトレイルコース。総距離約3,000km)を歩いたときは、別ブランドの靴で行きました。特に問題なく歩けていたんですが、途中、リフレッシュのために参加したアクティビティ中に腰を痛めてしまい、2週間くらい動けなくなりました。
2週間も動かないと、筋肉ってすごく退化してしまうんですよね。そんなこともありながら、なんとか最後まで歩き切ったんですが、ケガをする前まではピンピン歩けていたのが、やっぱりケガの後は体幹が使えなくなってしまって。足の筋肉の左右バランスも崩れてしまって、ゴール後は理学療法士の方に、「よくこんな足で歩いていましたね」と言われました。
その後もなかなか体のバランスが戻らず、もう一度体の正しい使い方を学ばなくては、と思っていたところで、Vivoを普段の生活に取り入れ始めました。

 

 

最初は薄いソールに対する不安もあったので、見た目のおしゃれさやソールの厚みのあるモデルを選びました。自分のサイズが40サイズなんですけど、ちょうどメンズの40の在庫がなかったので、ウィメンズの40を買ったんです。
でもやっぱり若干細い感じがして、結果その後すぐにプライマスライトを買いました。

プライマスライトは、最初は痛かったですね。「小石、痛っ!」みたいな感じ。あとは足裏も痛くなりました。
でも、その薄さに慣れちゃうと、ちょっと厚みのあるシューズを履くと逆に気持ち悪くなってしまって。それまで薄いと思っていた他社製のシューズですら、なんだかすごくクッションを感じるようになっちゃいました。歩いた時のグニュっていう感覚が、ちょっと気持ち悪かった。

それからは、「体をちゃんと使えるようにしよう」と思って、Vivoで歩くようになりました。
そうすると、だんだんそれが心地良くなってくるんですよね。何も言わずに履かされると、「何この靴?!」って感じると思うんですけど、やっぱりちゃんと足指が使えているかとか、足裏感覚が研ぎ澄まされている、という視点で履いていくとやっぱり楽しくて。

プライマスライトは、より「むき出し」な感じがします。あとは、何も気にせずにサッと履けるのが良いですね。

Vivoの一番の魅力は、意識がより向くようになること、だと思うんですよね。

他のゼロドロップシューズでも体のバランスを整えることはできると思うんですけど、Vivoのようにここまで薄い靴だと、意識が向かざるをえないじゃないですか。普段の姿勢とかでも、やっぱり一番大事なのは意識じゃないですかね。
意識を向けると、一歩一歩が慎重になりますよね。コンクリートや凸凹した路面、砂利が多い道なんかだと特に。
今はランニングと登山をしていますが、学生時代はサッカーをちょっとやるくらいで、習慣的に走ってはいなかったし、健康への意識も低かった。でも、健康の大切さって失って初めて気づくものですね。

 

 

体調を崩したことで、食べ物の観点からも健康意識、考え方の変化がありました。

ニュージーランドへワーホリに行った2013年頃は、腰の痛みが取れていて。ハイクとかも問題なく出来ていたんですけど、向こうにいると食生活がやっぱりグルテン中心になる。僕はもともと肌がそんなに強くなかったんですが、それがめちゃくちゃ悪化しちゃって。薬を飲んでも治らないし、じゃあ次はもう食事を徹底的に見直さなきゃだめだと思い、アトピーに悪いのはなんだろうって。調べていくと、グルテンや油、砂糖、あとは乳製品とかがちょっと合わないことに気づきました。
結果的に言えば、和食が一番バランス取れているし、良いんだなと。そこから食事もガラッと変わっていきました。

テ・アラロアを歩いた時は、とにかくお米を中心に食べていました。2020年に1回目のロングトレイルを歩いた時は、お金の問題もあって、インスタント麺を食べたりもしていたんですが、やっぱり肌がボロボロになっちゃって。お風呂も1週間に1回とかですし。中断期間(ロックダウンにより、テ・アラロアを一時中断していた)に色々と食事を見直して、結果的にお米が一番腹持ちが良いし体にも良い、というところにたどり着いて、後半はひたすら雑炊やおにぎりを食べていました。

僕は良くも悪くも、何が体調に良いのか・悪いのか、ということに気づきやすい体質なんだと思います。
やっぱり肌の痒みってものすごくストレスで仕事にも集中できないし、イライラして一日中辛かったりもしますし。僕は、食を見直すとか、健康でいるっていうことが人生の豊かさにものすごく直結する人間なので。
そこに向き合ってからは、性格も全然変わりましたね。穏やかさが違います。

 

 

姿勢や食事以外の、メンタル面での健康にも気をつけています。やりたくないことは極力排除する。やりたくないことや嫌いなことって、自分の心はもう分かっているので。素直になればなるほど。

僕の写真展のテーマが”Small is Beautiful”なんですけど、人間関係をはじめ、本当に自分が大事にしたいことだけにフォーカスするというのは、極力普段の生活から大切にしています。


今は東京でもそんなにストレスが溜まらなくなりましたが、特にワーホリから帰ってきたばかりの頃は、現地での感動が大きかった分、向こうの雰囲気なんかが恋しすぎて。東京の満員電車がすごくいやで、ちょっと苦しんでいた時期があります。

今は撮影の仕事とかも本当に楽しくやらせてもらっていますし、都心に出ることもほとんどないし、自分で仕事もプライベートもコントロールできるようにはなったので、全然平気ですけど、やっぱり自然や写真を撮ることがとにかく好きなので、ニュージーランドの大自然は撮っていて癒されますし、自分が自分らしくいられる感じがします。

 

 

東京で生まれ育った僕がそれまで当たり前だと思っていたことが、ニュージーランドで全部ひっくり返されるような衝撃を受けました。

ファーマーズマーケットとかに行くと、ボロボロの服を着て、そんなにお金持ちじゃないだろうな、という見た目の人たちが、すごく豊かな笑顔で笑っていて。

旅行中にガソリンスタンドでガソリンを入れてお金を払いに行っただけで、カメラをぶら下げているからか、結構声を掛けられるんですよ。「君、良いカメラ持ってるね。写真撮るんだったら、ここがオススメだよ」なんて言って、地図を広げながら教えてくれて。その後お金を払ってバイバイって言うと、”Have a nice day!”って言われて。例えば日本のコンビニとかでそんな会話をすることって、ないじゃないですか。

なんでこの人たちはこんなに幸せそうなんだろう、なんかいいな、っていう、嫉妬にも近いような気持ちが生まれました。今まで自分が頑張ってきて、良い大学に行って、良い会社に勤めて、そしたら幸せになれる、成功できる、と思っていたのが、ニュージーランドに行って全部ひっくり返されました。

最初はなんだかそれが悔しくて、もっとこの国のことを知らないと次の国に行けないなと思っちゃって。せっかくワーホリビザも持っていたので、働いてみたり、食に携わる経験もしてみたりしながら、どんどんハマっていきました。

 

ビザが切れたので一度日本に帰国したんですが、 やっぱりニュージーランドが忘れられなくて。写真展をやっているうちにその想いが強くなり、もう一回帰りたい、と思うようになりました。
写真展を開催しているうちに、「写真家さん」と呼ばれるようにもなって。ニュージーランド関連の方々との繋がりもでき、ガイドブックの撮影を任せてもらったり、気づいたら「ニュージーランド写真家」という肩書きで活動するようになりました。

正直、自分が写真家になるとは1ミリも思っていなかったんです。写真はあくまで趣味だったから。
コロナ禍で仕事が全くない状態で帰国して、片っ端からできる仕事をやらなきゃと思い、色々応募していく中で、カメラマンとしての腕を磨いていきました。普段の自分が出会えないような人や業界に出会えたのは面白かったですね。

これからも写真家として生きていきます。写真はあくまでツールなんですけどね、自分が本当に良いと思っていること、好きなものを伝えたい。YouTubeで発信活動をしているのも、それが根底にあります。

 

 

東京って、ある意味”Big is Beautiful”な世界ですよね。より早い方が良いし、大きければ大きい方が良い、あればあるほど良い、っていう場所。それに対して、ニュージーランドは本当にスモールな世界、”Less is More”な場所で、なんだかそれで自分の人生の考え方とか豊かさが変わった。

過去の自分と同じような感覚を持っている人って、すごく多いと思うんですよ。大手企業に勤めているけど全然楽しくないとか、毎日疲れているとか、経済的にも豊かなはずなのに、全然心が豊かじゃない人って、きっと沢山いるはず。
僕がニュージーランドで感じた"豊かさ"を届けることで、少しでも誰かの人生が変わるキッカケになれば良いなと思いながら発信活動を続けています。

 

あくまで僕の考えですが「カメラマン」というのは職業であって、腕で見せなきゃいけないものですが、「写真家」は"生き方"を見せなきゃいけないものだと思っています。
テ・アラロアに挑戦したのもそういった理由からですし、何か自分が届けたいものがあって、それを「写真」というツールを通して表現するのが、写真家なのかなと思っています。
写真家として勝負するためのベースはできたし、何かあった時にはカメラマンとして生きていくことができるから。もう一回、アホなことをやりたいですね。

今後の目標としては、妻と一緒にニュージーランドに移住して、この国の魅力をたくさんの人に届けていきたいと考えています。そしてその夢が叶ったら、世界中を旅しながら、世界の美しいものを写真を通してたくさんの人に届けていきたい。これからも「写真家」としてたくさんのことに挑戦していきます。

 

FEATURED PRODUCT

 

PRIMUS LITE Ⅲ

 

PROFILE

 

トミマツ タクヤ
Takuya Tomimatsu

@tky15lenz

ニュージーランド写真家

大学卒業後、会社員生活に馴染めず転職を繰り返す。度重なる体調不良を経て、2013年ニュージーランドへ初渡航。現地のライフスタイルや人の豊かさに衝撃を受け、1年4ヶ月もの歳月を過ごす。

帰国後、ニュージーランド写真家として活動を開始。『Small is Beautiful -より小さく より美しく-』をテーマに撮影・表現活動を行う。
2018年9月にはガイドブック『LOVELY GREEN NEW ZEALAND』を四角大輔氏らと共に出版。
2020年1月にはニュージーランド最長ロングトレイルコース『テ・アラロア』3,000km縦断に挑戦するも、ロックダウンにより1,100km時点で中断。そして3年越しとなる2023年3月24日、ついに3,000kmを踏破。
現在は「Youtube登録者1万人を達成したら テアラロアのドキュメンタリー上映会を日本全国で開催する」という目標を掲げ YouTubeでの発信活動を続けている。

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▶︎ 著書:ガイドブック『LOVELY GREEN NEW ZEALAND』

 

writer:Kyeonghwa HO



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