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『Back to Basics』はVivobarefootの原点である

「すべての人間に備わっていた“裸足の機能性”を取り戻す」という思想を、トップアスリートとともに実証する実験的プロジェクトです。

上田選手がシューズ、走り方、身体の使い方を見直し、自らの身体と意識をどう再構築していくのか。その過程を包み隠さず記録し、ベアフットが持つ本質的な力と、人間の身体に起こる変化をリアルに共有していきます。

私たちが知りたいのは、ひとりのトップアスリートが「裸足」という原点に立ち返ったとき、競技成績だけでなく、“人として”どんな変化と成長を感じるのか、ということ。

この物語の行き先は、まだ誰にもわかりません。
ぜひ一緒に、その行方を見届けてください。

EPISODE 0:
RESTART | 再構築

2025.07.04

世界の名だたる山岳レースで活躍してきたプロ山岳ランナー・上田瑠偉。

19歳でトレイルランナーとしてデビューして以来、数々の記録を打ち立て、日本人として未踏の領域に挑み続けてきた。30代を迎えた今、彼はVivobarefootと新たなパートナーシップを結び、自らの“足元”から身体を見直す挑戦に踏み出す。

2年前のマウンテンバイク事故をきっかけに、自身の動きや身体の使い方を根本から問い直している彼。Episode 0では、その「再構築」のはじまりを語る。

今回、克服しようとしている課題や目指していることは何ですか?

上田:2年前にヨーロッパでマウンテンバイクの事故に遭ってから、ずっと身体のバランスが戻らない感覚があって。特に股関節や足首まわりの動きがかなり制限されているのを感じます。だからこそ「足元」から身体を見直して、より根本的なレベルで改善したい。ケガのリスクを減らして、もっと遠くへ、もっと楽しく走れるようになりたいと思っています。

最初のセッションで上田選手を評価して、どんなことがわかりましたか?

渡邊:姿勢分析のために、立位で圧力分布を測定しました。重心が前寄り、つまり前足部に偏っていて、骨盤の真下に重心が乗っていなかったんです。スクワットをしてもらったところ、股関節と足首の可動域が狭くて、バランスを保つのが難しい状態でした。

上田:スクワットすらちゃんとできなかったのは正直恥ずかしかった。でも、それを受け入れて改善するしかない。それがVivobarefootと渡邊さんと一緒に取り組もうと思った理由ですから。

 

動画内で実施したエクササイズが動きに大きな変化をもたらしていました。どんな内容だったのでしょうか?

渡邊:VIVOHEALTHでは、足首と足の自由な動きを取り戻すことを大切にしています。上田選手の場合、足首の背屈( dorsiflexion )が制限されていて、深くしゃがめず、かかとが浮いたり、体幹が前に倒れたり、膝で代償するような動きになっていました。その改善のために、動画で紹介したモビリティエクササイズを行いました。
加えて、BlackBoardというツールを使い、足の3次元構造(特に距骨下関節や中足部関節)にアプローチしました。トレイルランでは不整地を走り続ける必要があります。ボード上でバランスを取る練習は、身体に常に調整と再学習を促すので、固有感覚(自分の身体の位置や動きを感じる力)を高め、運動制御を改善する効果があります。

股関節まわりでは、特に股関節の内旋や関節のすべりを良くするエクササイズを実施しました。大腿骨と脛骨のアライメントを整え、足首や腰への負担を軽減します。
こうしたエクササイズの組み合わせで、足首と股関節の可動性が向上し、深く正しくしゃがめるようになりました。足首の背屈と股関節の機能が改善されることで、体幹の姿勢が安定し、膝が正しく前に出て、体重がバランスよく分散されます。これによりケガのリスクも減らせます。

上田:ドリルをやった後、渡邊さんに出されたエクササイズが明らかにやりやすくなっていて驚きました。以前あった腰の痛みも、セッション後には消えていました。

好調なスタートのようですが、今後の展望は?

渡邊: 早く効果が出たのは嬉しいことですが、動きのパターンや筋バランス、関節の制限を改善するには、継続的で一貫した取り組みが必要です。身体は新しい刺激に反応して、学びながら変化していきます。僕自身も、状況に応じてアプローチを柔軟に変えていくつもりです。

今回のような筋骨格系へのアプローチに加えて、今後は“脳”への働きかけ――感覚神経系を通じて、より精度の高い運動制御や筋肉の活性化を促すトレーニングも導入していきたいと考えています。

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