足の構造と役割とは?
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足の構造と役割とは?
足からの伝達信号を処理する脳の活動分野は、手からの情報を処理する部位と同じ大きさがあります。足から情報が正しく伝達されないと脳は混乱し、その結果ちぐはぐな指示を身体に送ってしまいます。
参照:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12231276
足は体を支える土台です。足のアーチ(土踏まず)は本来バネのように作動します。靴に「アーチサポート」が付属していなければ、生まれつき備わっている筋肉と靭帯がアーチを支え、ゴムのように反跳します。走るときは、体重のおよそ2倍の荷重が体にかかりますが、アーチと足首でこの衝撃の54%を吸収できる構造になっています。このアーチの機能を使わず、かかとで着地すると、代わりにひざと骨盤で走行時の衝撃を吸収しなければなりません。
参照:
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23468936
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18932241
歩行時のロッカー機能:足には重心移動を円滑にする3箇所の「ロッカー(回転運動の支点)」があります;ヒールロッカー、アンクルロッカー、そして前足部(母趾)ロッカーです。母趾が頑丈でかつ柔軟に曲がることが、健常歩行には欠かせません。母趾がてこの支点となり地面を押して、体を前へ移動させる構造になっています。
すべては、母趾次第なのです。
参照:
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17353125
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24659509
人間の足は長い距離を歩いたり走ったりすることに特化し、何百世代もかけて進化してきました。
母趾(親指)と第二趾の骨の長さは同じです。母趾の骨はまっすぐ前方に伸び、体を支えるアンカーであり、回転軸でもあります(他の趾より4倍の太さと密度を持ちます)。頑丈な距骨(きょこつ:足首の奥の骨)は、足の動きに応じて足首をロック(固定)したり、それを解除(衝撃吸収)したりします。
幼少期には、足の骨はまだ固定されておらず、不自然な靴を履かせると、簡単に足はその形に変形させられてしまいます。 95%以上の赤ちゃんは、健康な足を持って生まれてきます。どんな矯正具や支持具も必要としない完璧な足です。子どもにサポート機能満載のガッチリした靴を履かせると、脳の発達に遅れが見られるだけでなく、間違った身体の使い方で、その後の人生にまで影響 する悪い癖まで身についてしまいます。
ソフトウェア(体の動き)の変化とハードウェア(姿勢や足の形)の因果関係は、裸足で生活する種族との比較研究からも明らかです。習慣的に靴を履いている人の足は、内在筋や靭帯、足底筋膜が弱体化しています。足裏のアーチが崩れると、筋肉や靭帯の反跳力も弱まり、負傷の原因となりうるのです。靴が原因のトラブルで代表的なものが「モートン趾」(足の第二趾が母趾より長い)と「外反母趾」(母趾の内側への変形)です。およそ30%の人は遺伝的にモートン趾を持って生まれますが、それ以外の人は、足に合わない靴が原因で後天的にモートン趾になります。
Vivobarefootは「完璧な」靴を作るべく日夜努力しています…「足」にとって完璧な靴を
幅広の靴なら、足の指(特に大切なのが母趾)が安定した土台になってくれます。
先細りした幅の狭い靴は、足を本来の形ではなく靴の形にしてしまいます。足指はもともと広がったり戻ったりするものですが、それが制限されるとやがてその筋力や機能が衰えていきます。
薄くても突き刺しに強い靴底なら、足裏に20万個も備わった神経終末の感覚フィードバックによって、体のより巧みな動きを可能にしてくれます。クッション素材の分厚い靴底では、足裏で地面を感じ取れず、正しい情報を脳に伝えることができません。その結果、過剰に大きく歩幅を取るような、不格好な歩き方や走り方になってしまいます。
柔軟で幅広の「足型」靴なら、筋肉や腱が荷重を受けて広がり、また戻ることでき、弾むように自然な歩行ができるようになります。
サポート機能つきの硬い靴は足を束縛し、本来の足の可動域を狭め、その結果、筋肉や筋膜を弱体化させてしまいます。
祖先たちも、ベアフット理念に通じるシンプルな靴を作っていました
人類が初めて靴を履いたのは、4万年以上前のアフリカまでさかのぼります。当時の狩猟方法は、体温調節ができないオオツノシカなどの獲物を、灼熱のサバンナで長時間追い続け、熱疲労をおこさせるというものでした。オオツノシカの皮革で作ったサンダルは、砂漠に生える植物の棘などから人間たちの足を保護してくれました。カラハリ砂漠のブッシュマンたちは、現代でもこのサンダルを愛用し、同じ手法で狩りをしています。
祖先たちの靴作りは、現代のベアフット理念にも通じるシンプルなものでした。薄い靴底は幅広で柔らかく、足本来の動きを妨げない構造になっています。それはアフリカのサンダルだけでなく、アパッチ族のレザーモカシンやスカンジナビア半島北部ラップランドのサーミ族が愛用するトナカイのブーツ(人類史上最も軽量で温かい靴です!)も同じです。
現代の靴は、主に2つの「先端技術」によって、本来の足の動きや働きを真似しようと作られています;「モーションコントロール(内外倒れ制御)」と「ショックアブソープション(衝撃吸収)」です。
不自然に足を使っていれば、いずれ怪我や故障につながることは容易に想像できます。現代の靴はまさにこれに加担しているとも言えます。現にランニングシューズが登場して60年経った今も、靴底に備わったこれらの先端技術が、怪我を予防しているという証明はできていないのです。実際、足の故障の原因はまだすべて解明されていません。ただ硬い地面よりも柔らかい地面のほうが怪我をしやすいことは分かっています。つまり柔らかい地面ではどんな靴を履いていようとも、ゴムのように元の形に戻ろうとする足本来の動きを妨げ、それが不要な筋肉の動きを生み出し、結果怪我につながっていると考えられます。
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進化の観点から、人類は200万年もの長い期間、ずっと長距離を走り続けてきました。解剖学的にも生理学的にも長距離走行に適応するために体を進化させてきたことが、ヒトが他の霊長目と大きく異なる点です。
霊長目の中でヒトだけが、直立して二足で走れます。唯一の発汗(体温調節)機能、大きな骨盤と筋肉、短くて平行な足指、まっすぐな脚、長い腱など、これらの特徴は他の霊長類には見られず、明らかに長距離走行に特化して進化させたものです。私たちの祖先は、忍耐強いハンターたちでした。獲物が熱疲労で倒れるまで、丸一日どこまでも追い回す手法で狩りをしていました。しかも、およそ4万年前の後期旧石器時代に、サンダルやモカシンのような靴が発明されるまで、人類は「裸足で」硬く荒れた大地を長距離走り続けていたのです。
現代の私たちは、この狩猟民族の祖先たちから数えると6,666世代目、農民世代からだと366世代目、そして、産業化による都市生活者世代から7世代目、そして座りっぱなしの現代人になってから4世代目にあたります。
「生物学においては、進化という概念なしには満足な研究成果を求めることはできない」(ドシアンスキー 1972年)生物学的な進化を見れば、病気や健康を理解する際に役立つかもしれません:ヒトはシンプルな狩猟部族の中で、野生から食物を採取し、自然光やバクテリアとともに活動するように進化してきました。
現代の人々は、これとまったく異なる生き方や環境です。この劇的な変化は、現代人たちの耐性を弱め、あらゆる体のトラブル、いわゆる「文明社会による弊害」を引き起こしています。
ヒトは霊長目の中でも特徴的な「C字型」の背骨を持って生まれます。重力の負荷を受けながら座ったり、歩いたり、走ったり(ソフトウェア)するうちに、背骨は段々とまっすぐ伸び、次第に「S字型」になります(ハードウェア)。通常の動物より大きい頭を、特に長い背骨でバランスをとりながら支えるので、どうしても姿勢が崩れやすく、骨格の歪み(腰椎屈曲など)を引き起こしがちなのです。
現代人は1日の大半の時間を座って過ごすばかりか、日常の健康的な活動の代わりに、高負荷で短時間の不自然な「エキササイズ」を行っています。二本の脚を使って、日常のローインパクトな自然な動作を(重力を感じながら)継続的に行うことが、実は人間にとって最良のアンチエイジングプログラムなのです。